盆栽の実生・挿し木・接木・取り木方法
盆栽を手に入れる方法は、購入するだけではありません。ずっと買っているだけでは、お金がいくらあっても足りません。そこで本稿ではお金を掛けずに盆栽を増やす方法を解説していきます。盆栽が欲しかったら、自分で増やしてしまえばいいのです笑
盆栽を増やす代表的な方法は、
- 実生(みしょう)
- 挿し木(さしき)
- 接木(つぎき)
- 取り木(とりき)
の四種類になります。それぞれやり方が異なり、慣れが必要です。最初は失敗が多いかもしれませんが、何回も挑戦して上記の技術を自分のものにしていきましょう!それでは以下で、それぞれの方法について、私の撮影した動画を用いながら説明していきます。
盆栽の実生方法と時期
実生は、木の種から新しい盆栽を育てる方法です。種を播いて発芽させ、新たに苗をゲットし、それを育てて盆栽にすることができます。実生は比較的手軽に行える方法ですが、成長が遅いため時間がかかるのがネックです。実生の手順とその後の管理としては、以下のように行われます。
- 種子の入手: 自分の持っている盆栽や、木の下に落ちている種子を入手しましょう。もしくは、園芸店などで購入します。
- 用土の準備: 実生に適した用土を用意します。通常、園芸店に売られているの種蒔き用の用土や赤玉土を使用します。
- 撒き方: 用土の表面に種子を均等に撒きます。その後、また用土を種の上に2~3センチ程度盛ります。
- 灌水: たっぷり水やりし、発芽するまでは必ず乾かないようにします。乾燥するうちは軽くビニールで覆うのも手です。
- 管理場所:半日陰に置きます。直射日光は避けましょう。
実生の時期は、通常は初春に行われます。この時期に播種することで、種が適切な環境条件下で発芽し成長することが期待できます。
盆栽の挿し木方法と時期
挿し木は、木の枝を切って、それを土に植えて根付かせることで、新しい盆栽を作る方法です。樹勢の強い健康な枝を選ぶことが成功のカギです。挿し木は以下の手順で行います。
- 挿し木の選定: 樹勢の強い勢いのある枝を選びます。古い枝は根付きにくいです。
- 剪定: 切れ味のいい鋏やナイフを使って、挿し穂を切り取ります。斜めに切ると根が出やすくなります。
- 葉の処理: 枝に付いている葉を減らします。これにより、水分の蒸発を減らし、エネルギーを発根に集中させることができます。
- 発根促進剤の塗布: ルートンやメネデールなどの発根促進剤を使用すると、発根確率が上がります。
- 植え付け: 切り取った挿し穂を、用土に植え付けます。用土は園芸店に売っている挿し木用土や鹿沼土が良いです。3センチくらい挿し穂が埋まるように植えてあげます。
- 灌水: たっぷりの水を与えて、微塵で挿し穂が動かないようにします。また乾くといけないので、十分な湿度を保つために、ビニール袋で覆っておくのも手です。
- 管理場所場所: 半日陰に置きます。直射日光は避けましょう。
挿し木の時期は、通常は春から初夏に行われます。この時期は新芽が出て成長が活発なため、根がより早く発生しやすくなります。
盆栽の接木方法と時期
接木は、接ぎ穂と台木の形成層を結合させて、新しい盆栽を作り出す方法です。接木は以下の手順で行います。
- 接ぎ穂となる盆栽の枝を切り取ります。切り口は斜めに切り、葉の量を減らします。
- 台木に切り口を入れ、接ぎ穂を挿入します。形成層がぴったりと合うようにします。
- 接木テープ等を使用し、切り口を固定します。
- 接木部分が乾かないように、ビニール袋等で保護します。
- 接木部分を湿度を保ちながら直射日光の当たらない場所に置きます。
- 穂木の成長を確認したら、保護を外して育てます。
接木の時期は、通常は2月下旬頃に行われます。この時期に行うことで、成功しやすくなります。
接木は技術と経験を要する方法ですが、異なる特徴を持つ木を組み合わせることができ、多様な盆栽を育てることができます。
盆栽の取り木方法と時期
取り木は、木の枝や幹の途中から根付かせる方法です。盆栽の取り木の方法は以下の手順で行います。
- 幹や枝の樹皮を一回り剥ぎます(環状剥皮)。
- 環状剥皮した部分にルートンを染みこませたミズゴケを巻いてラップをしたり、ポリポットを巻き付けて用土で保護します。
- 水やりをして乾かないようにし、直射日光の当たらない場所に置きます。
- 根が発生し成長したら切り離し、新しい盆栽として育てます。
取り木は他に針金結束法等もあり、いずれも難易度は高めです。枯れるリスクも考えて行いましょう。
取り木の時期は、通常は2月下旬頃に行われます。この時期に行うことで、根を生やしやすくなります。
まとめ
以上が、盆栽を増やす代表的な方法になります。紹介した4種類の方法はこれから長く盆栽を趣味として続けていくのであれば、ほぼ必須のスキルです。私の紹介した方法はほんの一例であり、他の場所・違った環境では、また別の手法がなされており、その環境に合った方法を見つけることが重要です。まずは試しに実践してみて、自分に合ったやり方を探求してみてください。
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