檜盆栽の育て方

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檜盆栽の育て方

檜盆栽は、その柔らかい枝ぶりと親しみやすさから人気を集めています。本記事では、檜盆栽の魅力や管理方法、育てる上でのポイントなどを詳しく解説します。

津山檜の手入動画です。ご参考まで。
目次

檜盆栽の魅力

檜盆栽には以下のような魅力があります。

魅力

檜盆栽は、その繊細な枝ぶりや美しい葉姿が魅力的です。春の芽出し、夏秋の緑の濃い葉姿など、季節ごとの風情や四季折々の表情を鑑賞することができる点も魅力の一つです。様々な品種があり、八房性の津山檜(筆者のお気に入り)・連山檜、石化檜などが人気です。

特徴

檜盆栽の特徴的な点は、黒っぽく渋めの幹肌と美しい葉の色合いです。鉢で持ち込むと幹肌も荒れて更に魅力が増してきます。そして常緑樹のため、年中その姿を楽しめます。檜は、寒さに強く、乾燥にも比較的耐えることができます。

檜盆栽の管理方法

檜盆栽を育てる際には、適切な管理方法を実践する必要があります。以下では、檜盆栽の適切な管理場所や冬季の管理方法について説明します。

適切な管理場所

檜は、日当たりと風通しの良い場所で管理するのが適切です。しかし強い日差しは嫌うため、夏場の直射日光を避けるよう、寒冷紗の下で管理しましょう。雑木と同じような場所で管理をすると良いです。

冬季の管理場所

冬季には、檜盆栽を寒さから保護する必要があります。霜や凍結から守るため、室内やムロ・温室などで保護することが望ましいです。霜に当たると葉が赤茶けますが、枯れたわけではないので、そのまま触らずに暖かくなるのを待つと元に戻ります。

檜盆栽の用土

檜盆栽の用土は、成長や健康維持に重要な役割を果たします。以下では、用土の種類と配合について説明します。

用土の種類

檜盆栽に適した用土は、排水性が良く保水性にも優れたものです。一般的には、赤玉土や桐生砂を使用したバランスの良い用土を選ぶことが推奨されています。

用土の配合

筆者は、硬質赤玉土:桐生砂を3:1くらいの割合で配合しています。この配合により、適切な排水性と保水性を確保することができます。しかし適切な用土の配合は個体や環境によって異なる場合もあるため、実際の状態を観察しながら微調整することが大切です。

檜盆栽の灌水

檜盆栽の灌水は、適切なタイミングと頻度で行うことが重要です。以下では、灌水のタイミングと頻度、注意点について説明します。

灌水のタイミング

檜盆栽は、とても水を好みます。土の表面が乾いたら適度に水やりを行うようにしましょう。表土が完全に乾燥した頃に水やりをすることがポイントです。また、特に夏季は乾燥しやすいため、注意が必要です。

灌水の頻度と注意点

灌水の頻度は季節や気温によって異なりますが、一般的には春・秋は1日1回、夏は1日1~2回、冬は2~3日に1回が目安です。ただし、樹の状態や周囲の環境によって調整が必要です。水のやり過ぎによる根腐れに注意し、適切な量を与えるようにしましょう。

檜盆栽の施肥

檜盆栽の施肥は、健康な成長を促すために欠かせません。以下では、施肥方法とタイミング、注意点について説明します。

施肥方法

檜盆栽には、緩効性肥料と液肥を使用します。筆者のおすすめは、グリーンキング・バイオゴールド・IBワンス4号です。どれも盆栽園・ホームセンター・通販で購入可能です。盆栽用のバランスの良い肥料を選び、適量に与えれば、元気に育ってくれます。樹勢が落ちた時には活力剤を使用しましょう(植替え直後は避けること)。

施肥のタイミングと注意点

施肥のタイミングは、樹の成長段階や季節によって異なります。成長期や春先から秋にかけての活発な成長時に施肥を行いますが、基本的には年中置き肥をしておいて問題ありません。冬季も成長が緩慢ではありますが、少ない量で施肥を行うようにしましょう。翌年の元気さが違ってきます。

檜盆栽の病害虫対策

檜は、基本的に病害虫には強いですが、他の木と同じく病気や害虫には注意が必要です。以下では、主な病気と対策方法、主な害虫と対策方法について説明します。

主な病気と対策方法

檜の病気としては、主に葉ふるい病・赤枯れ病による被害などがあります。これらの病気に対しては、早期発見と適切な対策が重要です。キノンドー水和剤やエムダイファー水和剤、ベニカXが効果的です。定期的な観察や予防的な処置、必要に応じた薬剤の使用が推奨されます。また日頃から、風通しの良い環境で管理することを心がけると病気の予防になります。

主な害虫と対策方法

檜の害虫としては、アブラムシ・ハダニなどが主です。薬剤はマラソン乳剤・スミチオン・ベニカX等が効果的です。定期的な予防消毒を心がけましょう。

檜盆栽の1〜12月の作業内容

以下では、ヒノキ盆栽の1〜12月の作業内容を月ごとにまとめて説明します。

1月の作業内容

  • 室内・ムロ・温室に移動させ霜避け、凍結防止する。
  • 剪定・針金かけ可能。大きく改作することも可能。要保護。
  • 施肥は少量行う。

2月の作業内容

  • 室内・ムロ・温室に移動させ霜避け、凍結防止する。
  • 整枝剪定、針金かけを行う。大きく改作することも可能。要保護。
  • 施肥は少量行う。

3月の作業内容

  • 施肥を本格的に行う。
  • 3月下旬頃、暖かくなり始めたら植替えを行う。
  • 剪定も可能。植替えをした場合は控える。

4月の作業内容

  • 施肥継続。
  • 病害虫チェック・消毒・予防。
  • 4月中旬までに植替えを終わらせる。

5月の作業内容

  • 施肥継続。
  • 乾燥に注意して灌水を行う。
  • 病害虫チェック・消毒・予防。
  • 芽摘み開始。

6月の作業内容

  • 梅雨前に病害虫予防のため、消毒を行う。
  • 梅雨時期は肥料過多になる為、肥料を取っておく。
  • 芽摘み継続。
  • 古葉取りを行う。

7月の作業内容

  • 梅雨明け後に肥料を再開。
  • 日中日差しが強い際は直射日光が当たらないよう、寒冷紗等で日よけする。
  • 日中日差しが強く暑かった場合、夕方に葉水を行う。
  • 高温による水分不足に注意し、適切な灌水を行う。
  • 芽摘み継続。
  • 古葉取り継続。

8月の作業内容

  • 施肥継続。
  • 日中日差しが強い際は直射日光が当たらないよう、寒冷紗等で日よけする。
  • 日中日差しが強く暑かった場合、夕方に葉水を行う。
  • 高温による水分不足に注意し、適切な灌水を行う。
  • 芽摘み継続。

9月の作業内容

  • 施肥継続。
  • 芽摘み継続。
  • 小枝の剪定が可能。

10月の作業内容

  • 施肥継続。
  • 葉透かしを行う。
  • 小枝の剪定が可能。

11月の作業内容

  • 施肥継続。
  • 屋外で管理。
  • 小枝の剪定が可能。

12月の作業内容

  • 施肥は少量行う。
  • 寒くなってきたら、ムロなどに入れて保護する。

檜盆栽の植替え

檜盆栽の植替えは、根の健康と成長を促すために重要な作業です。以下では、植替えの時期とタイミング、植替えのやり方、植替え後の保護について説明します。

植替えの時期とタイミング

檜盆栽の植替えは、通常は春の3月下旬~4月中旬くらいまでに行います。春の植替えは新芽が成長してくる前に行うようにしましょう。樹の生育状況や根の状態を観察し、植替えが必要と判断された場合に行いましょう。

植替えのタイミングは、根が詰まっていたり、用土の劣化が進んでいる場合に行います。若い木は2~3年、古い木・完成樹は3~5年ほどに1回が植替え目安となります。尚、剪定や針金かけ等作業をした場合は、2週間以上おいてから植替えをした方が、樹の負担を軽減し、枯れるリスクを低減できます。また、植替えをしない樹も、水の通りを良くするため表面の土は新しく変えたほうが良いです。

植替えのやり方

植替えの手順は以下の通りです。

  1. 樹を鉢から抜く。
  2. 古い用土を取り除き、根を傷つけないように整理する。根が鉢に絡まっている場合は、慎重に解きほぐす。枯れた根を切り取る。
  3. 鉢に固定用の針金をセットし、配合した用土を入れる。
  4. 樹を鉢に入れ、用土を適量入れる。
  5. 樹を鉢に入れた用土の上に置いて高さを調整し、セットした針金で樹を固定する。
  6. 用土を入れていく。
  7. 植替え後は水の濁りが無くなるまで十分に水を与える。

植替え後の保護

植替え後は盆栽を適切に保護することが重要です。以下の点に注意して管理しましょう。

  • 植替え後の数週間は直射日光や強い風に当てないようにし、施肥も控える。
  • 盆栽の水分管理に注意し、乾燥を避ける。表土の上にミズゴケを置くのも良し。

植替えは根の健康を保ち、樹の成長を促すために重要な作業です。定期的に行い、樹の状態に合わせて適切な植替えを行いましょう。

檜盆栽の芽摘み

芽摘みの目的と作業時期

檜の芽摘みは、新芽を指先や鋏で摘み取り、芽の成長を止めることで、小枝の発生を促すことが目的です。芽摘みの作業時期は、通常は5~9月頃までの成長期の間に行われます。

芽摘みのやり方

芽摘みは以下の手順で行います。

  1. 輪郭からはみ出る新芽を指先や鋏で摘み取る。鋏で摘み取る際は葉の基部で剪定すること。
  2. 上記1を、全体的に、継続して行っていく。

檜盆栽の古葉取り

古葉取りの目的と作業時期

檜の古葉取りの目的は、通風改善と美観を保つことです。

古葉取りの作業時期は、通常6~7月頃に芽摘みと同時に行います。この頃になると古葉が茶色くなってきます。

古葉取りのやり方

古葉取りの手順は以下の通りです。

  1. 樹全体を見て、茶色くなっている古い葉を取り除きます。
  2. 指先で枝のフトコロ・間の古葉を払い落とします。落ちにくい古葉は鋏で切り取りましょう。

古葉取りの際には、健康な葉や新芽を傷つけないように注意しましょう。盆栽の美しさと健康な成長を促すために、適切な古葉取りを行ってください。

檜盆栽の葉透かし

葉透かしの目的と作業時期

葉透かしは、今年の葉を透かし全体の葉の量を調節する作業です。葉透かしの目的は、日当たり・風通しの改善と、美観を整えることです。

葉透かしの作業時期は、10月頃です。

葉透かしのやり方

葉透かしは以下の手順で行います。

  1. 葉の混んでいる箇所を探し、鋏で透いていきます。
  2. 葉透かし後は、盆栽全体の形やバランスが整っているかを確認し、必要に応じて剪定を行います。

葉透かしによって通風・日当たりが改善し、健康的な成長を促すことができます。ただし、すかし過ぎると枯れるリスクがあるので注意が必要です。適度な葉透かしを心がけましょう。

檜盆栽の剪定

剪定の参考動画です。ご参考まで。

檜盆栽の剪定は、形成や枝の調整、健康な成長を促すために行われます。以下では、剪定の目的と作業時期、剪定のやり方について説明します。

剪定の目的と作業時期

檜盆栽の剪定の目的は、日照と通風の改善・枝数の増加・樹形を整えることです。

剪定の作業時期は、秋から初春にかけて行われます。9~11月は小枝の剪定ができ、1~3月の芽出しまでは太枝の剪定など大きな改作ができます。基本的に、2又になるように剪定していきましょう。

檜の剪定は雑木と違い、枝を少し残すように剪定します。そうすることで、癒合剤を使わずに済み、少し残した部分を後でジンにすることで自然味を加えることができます。

剪定のやり方

剪定は以下の手順で行います。

  1. 全体を観察し、不要な枝や樹形を崩している枝を特定します。
  2. 樹形を損なわないように、手入れが必要な箇所を剪定します。太い枝を切る際は、又枝切鋏を使用すると切り口の治りが早まります。
  3. 剪定後は、樹形が整っているか確認し、必要に応じて他の作業(葉透かし等)と組み合わせて行います。

剪定によって樹形を整え、健康的な成長を促すことができます。適切な剪定を行いながら、盆栽の美しさを追求しましょう。

檜盆栽の針金形成

針金形成の目的と作業時期

針金形成の目的は、盆栽の枝や幹を針金により自在に曲げ、美しい樹形を作り出すことです。檜は、芽摘みを繰り返すことにより小枝が増えたり葉が混んでくるため、針金形成の時期が来たら、樹形を整えるのと同時に、針金で日照の改善をしてあげると良いでしょう。

針金形成の作業時期は、通常は1~2月に行われます。この時期は檜の休眠期であり、負担がかかりにくいです。ただし針金を掛けた場合は保護管理を怠らないようにしましょう。針金を巻いたままの期間も長くなるため、枝や幹に針金の跡が残ることなく、曲を付けることができます。

針金形成のやり方

針金形成は、以下の手順に従って行います。

  1. 針金の太さや種類を選びます。針金の太さは、曲げたい枝や幹の太さに合わせて選ぶ必要があります。種類はアルミ線でも大丈夫ですが、筆者は銅線をおすすめします。
  2. 曲げたい枝や幹に対して、針金の中心部からスタートさせます。針金を巻く際は、均等に力を加えながら、ゆっくりとかけていきます。重要なのは、枝や幹を無理に曲げず、徐々に形を整えることです。
  3. 針金をかけた後は、樹形を整えるために、枝を調整します。

針金をかける際は、盆栽に傷をつけないように注意しましょう。また、針金をかけた後は、樹の状態を定期的に確認し、針金の跡が残らないように適切な手入れを行ってください。

檜盆栽を増やす方法

檜を増やす方法は、主に以下の種類があります。

  1. 実生(みしょう)
  2. 挿し木(さしき)
  3. 取り木(とりき)

詳しい方法については以下のリンク記事をご覧ください。

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檜盆栽は、盆栽園や園芸店、ネットショップ等、様々な場所で購入できます。

盆栽の購入場所については、以下のリンク記事をご覧ください。

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まとめ

本記事では、檜盆栽の育て方について様々な要素を取り上げました。檜盆栽の魅力や特徴、適切な管理方法、用土や灌水、施肥、病害虫対策など、盆栽の育て方に関する基本的な情報をご紹介しました。また、1月から12月までの作業内容や植替え、剪定、葉透かし、針金形成、古葉取り、繁殖方法、購入場所なども詳しく解説しました。

檜盆栽は美しい姿と独特の魅力を持つ盆栽であり、趣味として楽しむ方にとって魅力的な選択肢となるでしょう。適切な育て方や手入れを行いながら、檜盆栽と共に長い時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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